製品概要

本製品はフロントディスプレイの仕様変更がございます。
詳しくは、ニュースリリースページをご覧ください。

製品バリエーションJANコード商品ジャンル希望小売価格(税込)発売時期
M124562314012347ソース・コントローラー(D/Aコンバーター・ネットワークオーディオプレーヤー機能付プリアンプ)3,300,000円2017年3月9日

Bricasti Designの最新モデルである「M12」はあらゆるオーディオ・システムにとって先進的なフロント・エンドです。主要なデジタル入力の全てをサポートするだけでなく、バランスおよびアンバランスのアナログ入力も搭載しています。M12はあらゆる入力信号をアナログ方式の高精度ゲイン調整ボリューム機構を経由して出力することで、デジタルからアナログまであらゆる音源を最高性能のまま1つの筐体でコントロールすることを可能とした、「ソース・コントローラー」として誕生しました。

M12はM1SE開発で培われた確かな技術を基礎として設計されており、デジタル音源は最も優れた方法で変換されます。Bricasti Designはこれに左右独立設計のアナログ伝送経路と、高い解像度を持つアナログ・ゲイン/レベル・コントロール機構を組み合わせることで、デジタル入力時のDACセクションの出力段を情報の欠落なくアナログ領域で調整することを可能にしたほか、アナログ入力時のパス・スルーも可能としました。M1SE同様、M12はデュアル・モノ・コンストラクションを徹底し、信号処理回路、アナログ左チャンネル入出力回路、アナログ右チャンネル入出力回路の3系統の独立した電源部を擁するなど、徹底的なショート・シグナル・パスとクロストークの抑制を行っています。

カタログ

Bricasti_M12_Brochure

製品の特長

  • PCM/DSD用DAC チップにアナログ・デバイセス社製「AD1955」を搭載するほか、DSD専用に自社開発のフリップ・フロップ式アナログDSDコンバーターを採用
  • LAN端子を搭載しネットワークオーディオプレーヤーとして利用可能(~384kHz / 24bit PCM、~DSD128)【2017年11月以前にご購入いただいたお客様はアップデートが必要です】
  • USB入力端子を搭載し、USB DACとして利用可能(~384kHz / 24bit PCM、~DSD256)【2021年4月以前にご購入いただいたお客様はアップデートが必要です】
  • 電源部含め左右独立した徹底的なデュアル・モノラル 設計
  • DAC回路基板/アナログ回路基板には高周波用低損失素材として定評のある ARLON 社製のガラス/セラミック含有熱硬化性樹脂「Arlon25N」を採用
  • プロ機開発で培ったノウハウを投入し高い評価を獲得している自社開発のデジタルフィルター(ポストフィルター)処理による、ミニマムフェーズ・フィルターおよびリニアフェーズ・フィルターを搭載
  • PCM DAC部には、各チャンネルで独立した Femto Clockを配置し、DDS(ダイレクト・デジタル・シンセシス/デジタル直接合成発振器)を採用することでジッター値6ピコ秒を達成
  • 米Stillpoints社との共同開発によるフット部

製品の詳細

全てはデジタル再生の理想へ。新たなコンセプトのデジタル回路部

DSD再生を更なる高みへ導く自社開発DSD再生専用コンバーター回路

M12はDSD再生を究極のレベルに引き上げるために、純粋なアナログ方式のDSD変換回路を搭載しました。この回路においては、ノイズフィルタリングとレベル制御はアナログ領域で行われるため、DSD信号へのあらゆるデジタル処理は行われません。通常、ほとんどのDAC製品では、フィルター処理のためにDSDがマルチビットシグマデルタ信号またはPCM信号に変換されますが、M12では純粋なDSD変換プロセスを採用することで、ノイズフィルタリングとレベル制御のためのすべての後処理を純粋にアナログ領域で行うことができます。

PCM再生用にアナログ・デバイセズ社製DACチップ「AD1955」を使用

PCM再生用に、M12はマルチビットΔΣ方式のDACチップAD1955も搭載しています。今日のDACチップはマルチビットΔΣ方式を採用していますが、AD1955は史上稀にみる電流振幅を持つ電流出力型DACチップです。AD1955は低いゲインのI/Vで出力が取れるため、適切な回路設計をすればTHD、ダイナミックレンジ共に近年リリースされたDACチップと比べても優秀な出力が得られます。また、M1SE同様AD1955を経由したDSD再生も可能です。

DSPを駆使した自社開発デジタルフィルター

AD1955はDSDデータをマルチビットΔΣ信号に正確に変調してからアナログ信号に変換する機能を持っていますが、DACチップに搭載されているデジタルフィルターには設計上の制約があるのも事実です。そこで、Bricasti DesignではDACチップ搭載のフィルターは使用せず、PCM用に独自に開発したリコンストラクション・アンチ・エイリアス・フィルター(デジタルフィルター)を搭載するほか、DSD信号の変換に際しても、SHARC DSPチップを用いた独自開発のポストフィルターによるリコンストラクション処理を行います。これにより、AD1955をモジュレーション処理のみに専念させることで、Bricasti Designの理想とする高品位なデジタル再生を可能としました。M12にはリニアフェーズ・フィルターとミニマムフェーズ・フィルターがそれぞれ1種類搭載されています。

ネットワーク・プレーヤー機能搭載

M12の新たな機能として、ネットワーク・インターフェース機能とメディア・レンダラー機能があります。これにより、M12はネットワーク上のDLNA互換オーディオデバイスとして認識させることができます。M12のネットワーク・インターフェースは24bit/384kHzまでのPCMデータおよびDSD128のDSDデータの再生に対応しています(※ 2017年11月以前にご購入いただいたお客様はアップデートが必要です)。M12に伝送されてきた全てのデータはM12内部で適切に処理されるため、ネットワーク上のどこのサーバーを選んでも、品質を損なうことなく再生が可能です。

超低ジッターを実現するDDS採用マスター・クロック回路

M12のPCM DAC部は、デジタル入力部から送られてきた信号のクロックを判別し、内部でリクロッキング処理を行うことで、上流側のクロックジッターの影響を受けない仕組みとなっています。AD1955をモノラル・モードにしてチャンネルごとに独立動作させるだけでなく、超低ジッターの水晶発振器「Femto Clock」をチャンネルごとに配置し、これに DDS(ダイレクト・デジタル・シンセシス/デジタル直接合成発振器)を経由して究極の低ジッター環境を実現しています。左右チャンネルのクロック同期はデジタル処理基板上に配置されたSHARC DSPにより制御しています。

全ては高純度再生のために。DSPを駆使した先進のアナログ回路部

フルバランス・デュアル・モノラル仕様のDSP制御アナログボリューム

M12は1dBステップで90dBの操作幅を持つ完全アナログ方式の高精度かつ低ノイズのボリューム機構を搭載しています。ボリュームはリモートコントロールが可能で、かつ各入力に合わせてプログラムすることが可能です。

アナログ入力時でもデジタル出力時でも最高レベルの精度でのボリューム調整を実現すべく、M12はフルバランス・デュアル・モノラル仕様のR2R型ボリュームを採用しています。DACのI/V変換出力部の直後にボリューム機構を配置し、4つの独立したシグナル・パスを約250個の抵抗で構成されたボリューム機構によってコントロールします。

このボリューム機構はコントロールのみデジタル方式を採用しており、16個の高速アナログ・スイッチをアナログデバイセズのSHARCプロセッサーで制御しています。これによってリレーの切り替え時の物理的なノイズやオーディオ信号の電気的なノイズが発生しないよう配慮されています。SHARCプロセッサーはこうしたノイズ抑制のほか、DSDのミュート処理、フェード処理、PCMとDSDのデータストリームのレベル調整を行っています。

PCM再生/DSD再生で最適設計されたアナログ出力部

M12の出力バッファはM1同様ディスクリート設計となっており、PCM再生時にはI/V変換回路もM1と同様です。他方、DSD再生時にはM1と異なり、専用のDSD変換回路を使用した場合、出力された信号はダイレクトに出力レベル調整バッファに送られ、ディスクリート設計の出力回路へと送られます。

高周波基板用の低損失樹脂を採用したアナログ回路基板

アナログ回路基板には高周波領域の低損失基板用素材として定評のある ARLON 社製のガラス・セラミック含有熱硬化性樹脂 Arlon 25N を採用しています。こうした高品位なプリント基板 は、カリフォルニア州 San Jose にある Bricasti Design の自社工場にて製造されています。

シングルエンド入出力・バランス入出力を搭載

M12のシングルエンド入出力およびバランス入出力は完全に同じ特性を持つよう設計されています。各出力はそれぞれ独立したバッファーが搭載され、徹底的なアイソレーションが行われています。バランス出力の最大出力レベルは+ 16.5 dBm、アンバランス出力は+8dBmです。出力レベルはフロントパネルのアナログアッテネーターで調整することができます。

徹底したデュアル・モノラル・コンストラクション

M12は左右で完全に独立した基板を採用し、信号処理回路、アナログLch出力回路、アナログRch出力回路それぞれ独立に電力供給する専用電源部を有する徹底したデュアル・モノラル設計が特長です。それぞれのチャンネルは二重安定化電源により極めて安定した電源が供給されており、デジタル電源部からのデジタルノイズからのアイソレーションも確実なものとしています。

CNC切削によるアルミニウム合金削り出しボディ/パーツ

Bricasti Design はプロフェッショナル・オーディオ製品を製造販売する企業として誕生しましたが、そのオリジンがハイエンドオーディオにあることに疑いはありません。筐体を構成する全てのパーツ、すなわちフロントパネル、リアパネル、サイドパネル、トップパネル、ボトムパネルだけでなく、ボタンのキャップ部やノブ、リモコンに至るまでソリッド・アルミニウム・ブロックからの削り出しにより制作されています。

CNC 切削加工機は Bricasti Design が所有するもので、これによって複雑かつ難易度の高い加工も自在に行うことを可能にしています。 M12のブラックアルマイト仕上げのアルミニウム合金、グレーのトップパネル部、セレクター部の造形はマドリガル・ラボ時代のマーク・レビンソンを彷彿とさせるものです。アルミニウム合金を切削した筐体は、クロックジッターを抑制するために必要不可欠な、振動に対する強さと高い温度安定性、そして良好な放熱性能を兼ね備えたものになっています。

製品の仕様

特性

デジタル入力
入力端子XLR:       AES/EBU 24 bit( シングルワイヤー接続)

 

BNC:       SPDIF

RCA:       SPDIF

Optical:   Toslink 44.1- 96kHz

USB:       USB 2.0

LAN:       UPnP

サンプリング周波数( AES, SPDIF, AUX )44.1 kHz – 192kHz
サンプリング周波数( USB)44.1 kHz – 384kHz, DSD 2.8MHz, 5.6MHz, 11.2MHz (DoP)
サンプリング周波数(LAN)44.1 kHz – 384kHz, DSD 2.8MHz, 5.6MHz
ジッター8 ピコ秒 @ 48kHz / 6ピコ秒 @ 96kHz
バランスアナログ出力
出力端子XLRバランス (2番 hot)
インピーダンス40Ω
出力レベルフルスケール( 前面表示で+8dB ) = +16.5 dBm (5.2V RMS)
D/A変換PCM 24 bit デルタシグマ変調 8倍オーバーサンプリング

 

DSD 1 bit ダイレクト変換

周波数特性(44.1kHz入力時)10 Hz – 20 kHz   +0/-.2 dB
ダイナミックレンジ120dB以上( A-Weighted)
THD+N (1kHz)0.0008% (フルスケール)  /0.0004% (-30dBFS)
アンバランスアナログ出力
出力端子RCA
インピーダンス40Ω
出力レベルフルスケール( 前面表示で+8dB ) =  +10.7 dBm (2.6 V RMS)
D/A変換PCM 24 bit デルタシグマ変調 8倍オーバーサンプリング

 

DSD 1 bit ダイレクト変換

周波数特性(44.1kHz入力時)10 Hz – 20 kHz   +0/-.2 dB
ダイナミックレンジ120dB以上( A-Weighted)
THD+N (1kHz)0.0008% (フルスケール)  /0.0004% (-30dBFS)

一般諸元

規制
EMC規制に関する適合EN 55103-1 and EN 55103-2

 

FCC part 15, Class B

RoHS規制に関する適合EU RoHS Directive 2002/95/EC
安全規格に関する適合IEC 60065, EN 55103-2
環境
動作温度0 ~ 40 ℃
保管温度-30 ~ 70 ℃
一般
仕上げアルマイト処理アルミニウム
外形寸法432 x 305 x 115 mm
重量6.8 kg
梱包重量8.2 kg
梱包寸法559 x 432 x 178 mm
電源電圧100, 120, 220, 240 VAC, 50 Hz – 60 Hz (工場にて設定)
トリガー出力5V 外部トリガー用TRS端子
消費電力28 W (スタンバイ時6W)
製品保証2年間(中古品に対する保証の譲渡はできません)

製品のマニュアル

M12日本語マニュアル v101